2012年12月27日木曜日

アンマン




20121227日 アンマン


SNSの中からはみんなの楽しそうなクリスマスの様子が伝わってくる。日本にいる時は特別にこの日を祝うようなことはしていなかったが、全く周りがそのような雰囲気でないのもさみしいものだ。24日はヒンドゥー教と仏教の街カトマンドゥーで日本に荷物を送るなどした後、空港へ。今回乗る飛行機はエアアラビアといういかにもイスラム圏の航空会社だったし、乗っている人もほとんどがネパーリーだったので、全くクリスマス感はない。日付が変わった頃UAEのシャールジャに到着。周りは頭に布をかぶり輪っかで固定し、口髭をはやしたおじさんとスカーフで頭を隠した女性ばかりだ。もちろんクリスマス感はない。ここで9時間のトランジットをした後、飛行機を乗り換えてヨルダンの首都アンマンへ向かった。どんどん西に移動していくので、時計の針はどんどん戻っていく。随分長い寂しいクリスマスだ。

当初この旅で中東に行くことは考えていなかった。ネパールからそのままトルコに飛ぼうと考えていたのだ。しかし、西からやってきた旅人の中東やイスラム圏の話はとても魅力的に聞こえた。イランに入り、そのまま陸路でトルコに行くことも考えたが、どうせならユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地があるイスラエルのエルサレムにも寄りたいと思い、まずイスラエルの横の国ヨルダンに行くことにしたのだ。ヨルダンはテレビの紀行番組で見たことがあるくらいで今まで全く意識をしたことのない国である。シャールジャを飛び立ち窓から下を見みると木が一本も生えていない砂漠がどこまでも続いていた。今までに見たことがない風景、旅を初めて約4ヶ月でずいぶん遠くまで来たと実感する。こんなところに人は住めるのだろうか。上空から見る限り人そして家さえも見当たらない。この先にあるヨルダンとはどんな国だろう。久々に気分が高揚してくる。

13時頃アンマンに到着。空港を一歩出たところで違和感を感じる。タクシーの客引きが1人も寄ってこないのだ。空港前からバスに乗り都心部へ向かう際も車は揺れない。道が綺麗に舗装されているのだ。そして車窓からはずいぶん遠くまで景色を見渡すことができる。そう空気が綺麗なのだ。日本にいれば当たり前のことなのだが、4ヶ月間中国、東南アジア、南アジアを旅しているとそんなことで感動をしてしまうようになっていた。宿に荷物を置きダウンタウンを歩いてみたが、ゴミもあまり落ちていない。人々はみな目が合うと車の中の人でさえ手を上げたりほほ笑みかけてきてくれる。話しかけられて身構えると「ようこそヨルダンへ」と言ってくるのだ。ここは天国ではないだろうか・・・

翌日はアンマン市内の遺跡や美術館等を回る。遠くローマを感じさせる劇場や城の遺跡はたくさんの国に支配されてきたこの土地の歴史が垣間見え、どこか哀愁を感じる。もちろん物売りがいっぱい寄ってくることもない。そして何より僕が感動したのは、立ち寄ったカフェや私設美術館のセンスの良さである。ああ、ぼくはこういったものに飢えていたのだと分かった。今までの国でもできるだけ現在のカルチャーシーンを見ようとしていたのだが、アンマンほど感動したことはなかった。(もちろんインド・ネパールとのギャップでそう思った部分は大いにある)坂が多く街が起伏に富んでいるところなどを含め、僕は本当にこの街を気に入ってしまった。

本日、国境を抜けイスラエルのエルサレムに来たが、1週間この街に滞在し、年を越したあと、再度アンマンに戻る予定である。

※只今ギャップに高揚しておりますが、もちろん今まで旅してきた国々も本当に素晴らしいです。

・私設美術館 Darat Al-Funun
・洋書販売とカフェ(シーシャも吸える) Book@Cafe
・図書館、カフェ、ギャラリーを併設した文化施設 JADAL:Knowledge/Culture

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