2012年11月9日 ジョードプル
ピンクシティージャイプールからブルーシティージョードプルに移動してきた。間違えて各駅停車のチケットを取った為、本来5時間半程で着くはずの所を12時間もかかってしまった。窓の外の景色はずっと乾燥した砂漠で、窓を開けて外をずっと見ていたら治りかけていた喉が再悪化した。しかしインドで出会う日本人はほとんど喉をやられているので、これはインド旅行に付き物なのだろう。がまんするしかない。
昨日はこの街を見下ろしているメヘラーンガル砦を見学しに行った。入場料は多少するが、入場料の中に音声ガイド代(日本語有)も含まれており、当時この場所にあったマールワール王国の歴史、マハーラージャの生活にも関しても丁寧に解説してくれるので、大変満足のいく見学ができた。この旅の中で様々な建築物を見てきたが、このメヘラーンガル砦の佇まいは郡を抜いてかっこいい。砦は切り立った岩の上に建っており、城下街からそれを見上げれば、その圧倒的な存在感にマハーラージャに逆おうという気は全く起きない。また逆に砦から城下街を見下ろすと、あたかも自分がこの世界をすべて手に入れたような気分になってくる。街はほとんどの家の壁が水色に塗られており(これがブルーシティーと言われる所以)、コーランや大音量のインドポップスが流れ、人々が屋上で洗濯物を干している。飽きずに1時間は街を見ていただろうか、まるでタイムスリップしたような気分になった。この砦は今でもマハーラージャの所有物だそうだ。
今日は街中を散策した。やはりこの街も路上は混沌としているのだが、デリーやジャイプルに比べるとのんびりした空気が流れている。バサールには、ベジタリアンの多い国なので(ヒンドゥー教徒は基本的にはベジタリアン)色とりどりの野菜が売られていた。また、鍛冶屋、染物屋、陶器屋、竹細工屋も数多くあり、路面の店のすぐ奥で実際に商品を作っている。日本ではモノが作られている工程を見ることはほとんどできない。すべてはすでにパッケージされてお店に並んでいる。これはモノ作りの分野に限ったことではなく、日本では見えないようにされているものがこの国では『人の生や死』も含めて全部見える。しかもしつこいようだが路上で見えるのである。色々と面白がって街を歩いていると目の前から“1年3組福田”という名札のついたジャージを着たおっさんが歩いてきた。この服の元の持ち主はまさか自分のジャージをジョードプルというインドの地方都市に住むおっさんが着ているとは思ってもみないだろう。世界は知らないところで繋がっているなとおっさんの後ろ姿を見ながら思った。
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