2011年2月27日日曜日

コツのいる家


我が家はコツのいる家である。

具体的に言うならば、
•トイレの水は、絶妙なタイミングとスピードで
レバーを動かさなければ、止まってくれない。
•ベランダに通じるガラス窓は、精一杯の力で押さえながらでないと鍵が
閉まらない。
•玄関の扉もまた、鍵の閉まるポイントがなかなか見つからない。
•台所の給湯器は、レバーを一度右に回しきらなければお湯は出てこない。
•洗面所は、赤色のお湯の方からしか水が出ず、なおかつお湯は出ない。
などなど他にもたくさんのコツがいるのである。

はじめは焦っていたが、ああでもないこうでもないと試行錯誤し、
コツをつかんでしまった今は、当たり前のように各作業をこなす。
しかし、人が泊まりにきた時は説明が大変である。

ただ何でもマニュアルが用意されて、細かく数字で表記されている
現代において、このあんばいというのは非常に大切なことのように思う。

昔、風呂を薪で焚いていた頃、それはほとんど子供の仕事だったようだ。
子供は、毎日その仕事をこなす中で、湿度や風、温度などにより薪の量や
息の量を調整していくことを覚える。これは誰に教えられるわけでもなく
自分で体感し、考えた末に拾得したあんばいなのだ。
本来自然は諸行無常である。
状況に合わせて動物や植物は少しずつやり方を変えていく。
スイッチ一つで何でもできることは便利だが。私たちの身体はどんどん
生活(生きるために必要不可欠な活動)から離れているのではないか。

またそれは人間が自然から離れていくことでもある。

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