2013年7月6日 リマ→カンクン→コスメル
2ヶ月と少し滞在した南米を後にする。クスコから22時間バスに揺られ、リマの空港に14時間滞在し、そこから飛行機で10時間。まる2日間を移動に使いメキシコの大西洋側、カンクンという街に到着した。リマからずっと移動が一緒だった世界一周中のドイツ人女性は、メキシコから南米に飛んだのだが、南米が寒かったのでまたメキシコまで戻ってきたのだという。飛行機から一歩出るとむわっとした熱帯特有の空気が全身に絡んできた。このような空気は東南アジア以来である。そして僕はこの空気があまり得意ではない。対照的にドイツ人の友人は隣で「ああ、この空気!戻ってきたわ!!!!」と興奮しきっている。リゾートとして有名なカンクン。みな開放的という言葉がぴったりな服を着ている。標高も高く、乾燥していたクスコ仕様の服を着ている僕は完全に浮いていたので、とりあえずトイレで服を脱いだ。
カンクンの街では、半年前にエジプトとトルコを一緒に旅した同世代の友人と再会をした。コンビニでビールを買い、公園のベンチに座る。公園内にあるステージでは大人数のバンドが陽気なメキシコ音楽が流している。オーディエンスもステージに上がり、どこからがステージで客席なのか区別がつかない。湿度、音楽、薄いビールがメキシコに来たことを実感させてくれる。いろいろな土地を俯瞰的に眺めるのが僕の旅ならば、友人はローカルの人々の中に飛び込み、人と沢山コミュニケーションを取りながらその国を見ていくというスタイルで旅をしている。元々英語は堪能だったが、さらにスペイン語まで話せるようになっていた。お互いに半年間に考えたことを夜遅くまで話し合った。スタイルは違えど、僕たちが旅の中で気づいたことはほとんど同じで、お互いにこれでいいのだと確認し合った夜だった。
カンクンには3日間滞在し、近くにあるコスメル島という場所に別の友人が滞在していたので会いにいくことにした。現在メキシコは雨季で、カンクンは連日雨が降っていたが、このコスメル島では幸い天気に恵まれ、連日海に泳ぎに行くことができた。エジプトのダハブでシュノーケリングをして以来の海だ。ここの海はまさに南国の海といった感じで、岸から沖にかけて、透明から深い青へと色が変わっていく。内陸の夏といえば海よりも川という土地で育った僕には、海はあまり縁のない場所だ。しかし、エジプトの時同様一度海に入ってしまえば珊瑚の形、魚達の模様などに目を奪われる。知らない世界を知ってしまった思春期の青年のような心境。もっと早く海の中を知っていれば、僕はまた違った作品を作っていただろうか?
毎日海で遊び、酒を飲んで疲れて寝るという健康的な毎日を過ごしたコスメル島を後にし、本日再び本土に戻る。ここからはリゾートではなく、もう少し土着的な文化を見ていきたい。
とても魅力的な記事でした。
返信削除また遊びに来ます!!