2013年4月16日火曜日

サンティアゴ・デ・コンポステ-ラ→ビルバオ




2013416日 サンティアゴ・デ・コンポステ-ラ→ビルバオ


リスボンから再度スペインへ入国し、サンティアゴ・デ・コンポステ-ラという街に到着。ここはエルサレム、バチカンに並びキリスト教三大聖地のひとつだ。フランス、スペイン、ポルトガルからたくさんの道がこの街に続いており、その道を巡礼者たちが歩いてやってくる。街の中はバックパックを背負った人で溢れかえり、旅の終りを皆でたたえ合い握手や包容をしている。きっと巡礼の中で何度も顔を合わせ励まし合ってきたのだろう。街の中心にそびえ立つカテドラルでミサに参加したが、歩いてこの街に来たわけではない自分は少々浮いてしまった。宿にいるのもほとんどが巡礼者で、他の街のホステルとは違いかなり落ち着いた雰囲気である。今回の旅の中で僕もこの巡礼路を歩こうと考えていたのだが、時間の問題(ツェルゲン協定)で見送ることにした。また年を重ねてからじっくり歩こうと思う。

聖地を後にして、バスク地方の中心都市ビルバオへ。このバスク州、そしてサンティアゴ・デ・コンポステ-ラのあるガリシア州、次に向かうバルセロナのあるカタルーニャ州はどこも自治権を持っている。州の公用言語もスペイン語とそれぞれ独自の言葉になっているほどだ。今までの旅の中でこの3つの土地出身者は誰ひとりとして自分をスペイン人とは言わなかったし、スペイン語も話していなかった。また、バスクに関しては、一見スペイン人や他のヨーロッパ人と同じような顔をしているが、血液を調べるとかなり特殊な人達らしい。が故に過去にはテロ行為も辞さない独立運動を行ったりとかなり民族意識が強いエリアだ。
ちょうど着いたのが日曜日だったため、もしタイミングが合えばヨーロッパで心残りだったサッカー観戦をしようと、宿のスタッフに「今日アスレティック・ビルバオのホームゲームはあるかな?」と聞いてみると、パソコンで調べてくれた。「ワォ!あなたラッキーよ!今日はホームでレアル・マドリード戦があるわ!」棚からぼた餅である。早速スタジアムにチケットを買いに行くと、一番安いゴール裏の席でも50€もした。どうやらレアル戦なのでいつもよりかなり高いらしい。まあしょうがないということでこのチケットを購入し、夜再度スタジアムに向かった。このアスレティック・ビルバオは特殊なチームで、バスク地方出身の選手しかいない。(正確にいいうと2代前までバスクにいたというのでもいいらしい。つまりはバスク人)バスク地方は人口も大きさもほぼ茨城県と一緒である。しかもリーガエスパニョーラ(1)には2部に落ちたことがないチームは3チームしかなく、それがバルセロナ、レアル・マドリード、ビルバオなのである。茨城選抜でずっとJ1で戦っていると思えばいいだろうか?いやそんなレベルではない。このチームはバスクの人々の象徴なのだ。ファンが熱いのも納得である。ゴール裏という一番熱いファンのいるエリアでの観戦だったが、ビルバオの応援をしている分には安全だった。しかし、横に座っていた人が隠れレアルファンだったようで、レアルのゴール時に大きなガッツポーズをしてしまった。これをビルバオファンは見逃さない。まず全員に中指を突き立てられ、レアルがファウルをするたびに罵られていた。彼も耐えられなかったのかどこかにいってしまった。他の場所では乱闘騒ぎもあり、レアルファンのおじさんが足を引きずりながら警備委員に連れていかれた。レアルマドリードはスペインの首都のチームであり、スペインの象徴のようなものだ。ビルバオファンが熱くなるのもしょうがない。結局レアルが30で勝利したのだが、ヨーロッパにおけるサッカーは、様々な人、民族、国の人生?を抱え込んでいるのだなとしみじみ思った。

それにしてもビルバオは本当に良い街である。周りは山に囲まれ中心には川が流れている。まるで京都だ。日が落ちるのが遅いせいか、人々はインラインスケートやスケートボード、自転車、ランニングと各々の方法でスポーツを毎日楽しんでいる。また、散歩している犬の種類の豊富さもツボである。こちらは基本ノーリードなのだが、道に飛び出したり、人に吠えかかる犬はいない。みなきちんとしつけられている。ロンドンの記事でも書いたが、自由と責任の関係をしっかりとみな理解しているように感じた。この旅の中で様々な都市を訪れたが、1番住んでみたいと思う街だった
               

2 件のコメント:

  1. 原田哲太郎2013年5月3日 15:28

    大介さん、お久しぶりです。インドのジョードプルで会った原田です。
    本の交換をしたりしてもらった。覚えてるかな?
    ビルバオ、僕らも行きましたがいい街ですよね。旧市街にあるハム屋のサンドイッチがうまかった覚えがあります。ビスカイア橋も楽しかったなあ。っていうかアスレティックビルバオ対レアル戦めちゃくちゃうらやましいです。僕らは日程の都合で見れなかったので。
    僕は既に帰国し、東京で働き始めました。時々大介さんのブログを見ながら旅している気分になりたいと思います。引き続きお気をつけて楽しい旅を続けてください。

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  2. 原田さん

    お久しぶりです。もちろん覚えています。あんなに高野の話をしたのは、この旅の中であの時だけです。(笑)
    ビルバオはほんと興味深いところです。今はパタゴニアにいますが、ここでもバスクの帽子をかぶっている人がたくさんいます。かつてバスクの地からこの地にきた人々のようで、あのチェゲバラもバスク系アルゼンチン人だそうです。話せる人は限りなく少ないですが、バスク語を習ってみたいとさえ思います。

    ブログを読んでいただいてありがとうございます。ほんとに文章を書くというのは難しいですね。物書きの人々を尊敬してやみません。もう少しましなものを書けるようにがんばります。

    また帰国をして、東京に行った際はぜひお会いしましょう!

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