2013年1月17日 カイロ→イスタンブール
エジプトの首都カイロ。ナイル川の下流域のデルタ地帯にあるこの街は、言うまでもなくエジプト文明が起こった場所であり、建築方法や使用目的などで今だに多くの謎を残したピラミッドがある場所である。ダハブからテロリストの巣窟などと言われるシナイ半島を抜け(途中パスポートチェックや犬による荷物チェックなどあり)この街に着いたのだが、まずその喧騒、空気の汚さにインドを思い出さずにはいられなかった。翌日に歩いたイスラム地区に関してはおしっこの臭いやゴミだらけの路上、牛ではないが馬がたくさんいるところなどインドそっくりである。最近も国民投票がありデモが行われたようだが、2年前の“アラブの春”の際に燃やされた大きな建物もそのままの姿で街の中心部に残っている。歩いていても危険は感じないが、なかなか不安定な街のようだ。
エジプトではナイル川上流にあるアスワンという街まで行き、そこからゆっくり川に沿ってカイロまで下りてきたかったのだが、移動に予想以上の時間がかかることが分かったため飛行機の関係で今回はその計画を諦めることにした。カイロには4日間滞在し、ピラミッドや考古学博物館、モスクなどを見て回る。しかし、ピラミッドも考古学博物館も感動するものではなかった。ピラミッドに関しては本やテレビで見るのとさほど変わりはなかったし、考古学博物館は収蔵量の数、スケール共に申し分ないのだが、展示があまりにお粗末だった。キャプションさえも付いていないので、ガイドブック等がなければ何が何だかさっぱりわからないだろう。しかし、エジプトでは出会いに恵まれ、友人たちと安くて美味しいご飯やシーシャ(水タバコ)をふかしながら様々な話をした。旅について、日本について、これからについて、怖い話、エロい話とどんどん話題が出てきて気がついたら一日が終わっているような時もあったほどだ。街ゆく人々を眺めながらオープンテラスで過ごしたそういった時間はとても有意義なものだった。
そして昨日、2時間のフライトを経てトルコのイスタンブールにやってきた。カイロから来るとイスタンブールの街がとても落ち着いて見える。同じイスラム圏でもヨルダン、エジプト、トルコは全然違う。イスタンブールの街並みはまだ見ぬヨーロッパを想わせるが、そういった風景の中にたくさんのモスクがあるのは興味深い。街中の女性の数も圧倒的に多い。日本にいた時はイスラム教に対して規律が厳しく皆それを同じように守っているというイメージを持っていた。しかし、同じ宗教でも信仰の形、度合いはそれぞれの国または個人で違う。カイロでは毎日5回の祈りの為におでこにあざがあるおじさんをたくさん見かけた。そういった違いに気づけただけでもこの3カ国に来てよかったと思う。これから2週間ほどかけてトルコを見てまわる予定だ。
トルコに到着した日の夜は雨が降った。記憶が正しければカンボジア以来3ヶ月ぶりの雨である。人生の中でこれだけ期間雨を見なかったことはない。
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