2013年3月20日 ダブリン→ゴールウェイ
ロンドンからダブリンへの移動の前日は空港に一泊することになった。インドの駅での野宿とは比較にならないほどきれいだが、彼女には過酷だったようである。申し訳ない・・・ちょうど良いベンチを見つけ荷物を抱えながら寝る。自分たちしか寝てなかったベンチの周りには、目を覚ますと同じように空港で夜を明かした人達がたくさん寝ていた。似た者同士肩を寄せ合い安全を確保するのだ。人もやはり動物なのだなと思う。
そんなこんなでダブリンの空港に降り立つ。あまり寝ることもできなかったのでふたりともフラフラなのだが、この日はアイルランド最大のお祭り聖パトリック祭だったため、身体に鞭打ち街へ。しかし行ってよかった。街も人も緑色一色で、その中をパレードが練り歩く。出遅れてしまった僕たちはパレードを見るのにも一苦労だ。街中が熱気に満ち、あまりのテンションについていけなくなったのですごすごと宿へ。この祭りのためにダブリンのホステルはどこも満室で、どうしても郊外の高いホテル(といっても日本のビジネスホテル程度)に泊まることにしたのだが、なんとここが4ツ星のホテルらしく、バスタブまで付いていた。日本人にはやはりこれが必要だ。
そして、バスで島の反対側ゴールウェイへ。この街は州都であるがさほど大きくはなく、静かで落ち着いた港街だ。着いて2日目はバレン高原とモハーの断崖を見に行くツアーに参加した。イギリス同様どこまでも牧草地が続くアイルランドだが、整理された印象を受けるイギリスに対してアイルランドは荒々しくワイルドな印象を持つ。土地自体の個性がこちらのほうが強く、コントロールしきれないといった感じ。それは両国の人にも言える事かもしれない。半年旅をして様々な土地を見てきたが、ここの風景はネパールのヒマラヤと並び、大きく心が動いた場所だった。それはなかなか言葉にできるものではないが、壮大で荒々しい中に凛とした静けさが漂っている。時間的にも空間的にも自分の存在が消えてしまうのではないかと感じる瞬間があるのだ。モハーの断崖の上から北の海を見る。この先にあるのは憧れの地アイスランド。今回の旅の1つの目的でもあったアイスランドだが、時期と予算の問題で見送ることにした。まだ、憧れのままでいてもらおう。いつかじっくりと時間をかけて回りたいと思っている。
夜は連日アイリッシュパブへ。ホテルのスタッフが教えてくれたパブは、観光地から離れた場所にあり、地元の人々でいっぱいだった。楽器を持ったローカルのミュージシャンが少しずつ店に集まり、いつの間にかライブが始まっている。ギネスビールを飲みながら聞く本場のアイリッシュミュージックは最高としか言い様のないものだった。
ここで1ヶ月共に旅をしてきた彼女とはお別れである。ゴールウェイからのバスがかなり遅れたため、別れを惜しむ暇もなくあっという間にデンマークに帰っていった。それぐらいがちょうどいいのだろう。また1人の旅の始まりである。さあ、少しずつ暖かい場所へ。
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