2013年3月10日 アントワープ→アムステルダム→ロンドン
パリ最終日は春が来たかのような晴天だったのだが、やはりまだ早朝はかなり冷える。予定時刻から1時間遅れてバスがターミナルに入ってきた。待っている間に寒さと空腹で既に疲れてしまう。 パリから6時間半でベルギーのアントワープへ。フランスは食料自給率がやたら高いというのが頷ける程、どこまでも農地が広がっていた。
アントワープはヨーロッパ第2位の港を持つが、もう1つの顔はファッションの街だ。この街にある王立アカデミーは数々の有名デザイナーを輩出している。小さな旧市街の中には本当に沢山のブティックや古着屋、家具屋などが並ぶ。しかもみなおしゃれだ。この街の人口からしてもお店の数が多すぎるという印象だったので、きっと他の国からも沢山の買い物客がくるのだろう。ただ、今は冬ということもあり人も少なく本当に落ち着いている。しばらく大都市が続いていたので、ふたりともかなり疲れていたようだ。2日半の滞在だったが、気力を充電できた気がした。
アントワープから一路オランダのアムステルダムへ。オランダは国名をNederland(低地の国)と言うように、本当に土地が低い。水浸しの国カンボジアとまではいかないが、至る所に池のようなものがある。そして風車も回る。何かで読んだのだが、オランダ人はこの土地に住むため、干拓をしなければならず、沢山の努力をしてきた。そのため一人一人が国を自分が支えていると言うような意識を持っているという。北欧同様とても自立した人々なのだ。
アムステルダムは様々な匂いのする街だ。まず、街中の運河のせいかドブの様な匂いがする。慣れれば何ともないのだが、建物から外に出る度気にはなる。そしてそこら中にあるコーヒーショップからするハシシの匂い。まさかここまで街中でこの匂いがするとは思わなかった。しかし、こうした自立した意識を持った国民だからこそ、大麻に対して寛容な政策を取れるのだろう。日本では確実に無理だと思う。そうした香りを嗅ぎながら街を彷徨うと、ピンクの光が窓から漏れるエリアに着く。有名な飾り窓だ。無数に並んだガラスの向こうにはセクシーな衣装で身体をくねらせ、こちらを誘惑する女性がいる。そのドアを開け、酒か葉っぱを決めている男が女性に値段交渉をしている。うーん、アムステルダム。人々の欲望が目に見える街。僕はゴテゴテとしたものはあまり好きではない。どちらかと言えば徹底的にマイナスの作業をされたものが好きだ。ただ人の持っているこうしたエネルギーをあたかも無いものとするのも好きではない。綺麗事であったり、汚いものを見ない様にしている気がする。凛とした中にごちゃごちゃとしたものも含め、全てを内包している。そんなものが一番美しく、魅力的に感じる。はて、何の話か…。
そんなアムステルダムから今はドーヴァー海峡を超えてロンドンまで来た。ここでは友人宅に一週間お世話になる予定だ。
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