2013年3月16日土曜日

ロンドン→ソールズベリ




2013316日 ロンドン→ソールズベリ


主が仕事に行った後の部屋でゆっくりと目を覚ます。大きなキッチンで朝昼兼用のご飯を作り、良質のスピーカーで音楽を聴きながら食べる。庭に遊びに来たリスや小鳥を観察する。時に狐も来るらしい。ロンドンに滞在した6日間は毎日こうして始まった。友人の家はロンドンの郊外のアパートの1階にある。夫婦やカップルが2人で住むにはちょうどいいサイズの家。ヨーロッパに入ってから忙しなく移動を続けてきたので、ロンドンでのこの時間は本当に貴重なものだった。

1年前、僕が京都を去るということで友人が開いてくれたパーティーに当時日本に滞在していたイギリス人の彼とスウェーデン人の彼女も来てくれた。その際に次はロンドンで会おうと約束をしていたのだ。その後僕は旅に出て、2人もロンドンで新しい生活を始めていた。悪名高いイギリスの入国審査を無事通過し疲れ果てて家にたどり着いた僕たちを、彼らは精一杯もてなしてくれた。そのお礼に僕たちも晩御飯(日本料理)を作って彼らが仕事から帰るのを待ち、毎日遅くまでお酒を飲みながらたくさんの話をした。京都時代の思い出話や共通の友人の近況、、音楽の話、またはイギリス、スウェーデン、日本の比較など話は尽きない。元々気心の知れた友人と話すのは旅の中で知り合った人と話をするのとはまた別の面白さがある。ちなみに彼は少し日本語を話し、彼女に至っては流暢な関西弁をしゃべる。次はまた日本で会おうと最後に約束をして彼らの家を後にした。彼らが日本に来たとき僕も精一杯のおもてなしをしたい。

ロンドン滞在中は友人の務める会社(Google)にもおじゃました。というのもGoogleの社員食堂でビュッフェを食べさせてくれるというのだ。もちろんタダ。僕たちはゲストという名札をもらい社内に入る。食堂には世界各国の料理が並んでいた。その他にも各種チーズ、ケーキ、飲み物、果物、お菓子全て無料である。社員はここで朝昼晩と食事を取ることができ、金曜は夜お酒までタダで飲むことができるのだ。それだけではない、車内には図書館や音楽ルーム、ゲームルーム、リラックスルームと社員がくつろげるスペースがたくさんあったり、インテリアもロンドンバスが社内にあるなど遊び心に溢れている。友人曰く「パソコンとにらめっこする仕事はしんどいからね、体を動かしたり、リラックスしないといいパフォーマンスができないんだよ。もちろんいいアイデアも出ない。」うーんさすがGoogle。それでは怠ける人間が続出するのではないかと日本人の僕は思うのだが、そんなことはない。社員はみなここまで完璧な仕事環境と提供してくれるグーグルのために一生懸命働いているし、結果がでなければ自分の居場所がなくなるだけだ。一見優しいように見えて実は厳しいヨーロッパに対し、一見厳しいように見えて実は優しいのが日本なのだろう。日本はルールを設けることによって、人々を律しようとするが、いざという時は情を大切にし、冷酷なことはしない(最近はそうでもないのだろうが)どちらがいいというわけでもないが、僕が生きていく中でとても大切だと思うのは、選択の自由とそれに伴う責任である。そう言った意味でヨーロッパの人々は自立しており、みなそれを前提に生きているように感じる。日本では子供たちの一番身近な大人(親や先生、もしくはテレビの中の政治家)が責任を持つことを恐れ、擦り付け合っているような事もしばしばだ。そんな環境では子供もずる賢くなるだけではないだろうか。どこか読んだ本のセリフに「責任のない自由なんてありえないわ」というのがあったことを思い出した。

イギリスではその他にも、ストーンヘッジを見学するためソールズベリという田舎町にも滞在した。絵に描いたようなイギリスのカントリーサイドは静かでとても落ち着いている。さあ次はアイルランドへ。

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