2013年6月12日水曜日

ビーニャ デル マル→バルパライソ→サンペドロ デ アタカマ



2013612日 ビーニャ デル マル→バルパライソ→サンペドロ アタカマ


プエルト バラスからバスで14時間かけて北上し、チリの首都サンティアゴ近くの街ビーニャ デル マルに着く。ここまで来ると気候はかなり変化し、人にとって適度な湿度と適度な温度になる。太平洋に面したこの街は、首都で忙しく働く人々が週末を過ごすリゾート地になっており、街を歩く人の表情に余裕を感じることができる。ここ3週間ほどずっと雨ばかりの生活をしていたので、久々の太陽に全身が喜んでいる。街に着いた日は亀のように日向ぼっこをしていた。
宿泊していた宿から歩いて30分のところに大きな漁港があり、朝早くその港に行くと獲れたての魚介類を漁師から直接買うことができる。友人が醤油とわさびを持っていたので、マグロやイカのブロックを買い刺身にして食べた。やはりプエルトモンで思ったとおり日本人の僕には醤油と白飯が必要なのだ。日本を出てから10ヶ月ぶりの刺身は本当にほっぺたが落ちるほど美味しかった。この街の海岸線沿いには沢山のペリカンやアシカも生息していて、散歩をしているだけで楽しい。

ビーニャから電車で20分のところにはバルパライソという世界遺産になっている街がある。山と海に挟まれた土地なのだが、山の上の方までカラフルな家々が所狭しと並んでいる。この街で有名なものは、いたるところに書かれているグラフティーや絵画で、子供のらくがきから有名な作家の作品まで街のあちこちで見ることが出来る。しかし、あまり治安は良くないようで、絵を見ながらどんどん住宅地の奥に進んでいくと、地元のおばさんにそれ以上は行ってはいけないと注意を受けた。ある友人も「中国人!それ以上行くと殺されるよ」的なことを言われたそうだ。命あっての旅、あえて危険な場所には行かない。

宿にいた旅人4人の次の目的地がちょうど一緒だったので、4人でアルゼンチンとボリビアとの国境近くサンペドロ デ アタカマに向かった。この移動は24時間かかるので、バスの中で一泊することになる。朝目を覚まし、窓の外を見ると、そこはもう石と砂しかない砂漠の世界が広がっていた。まるでモロッコに戻ってきたようだ。チリは縦にとても長い国(こちらの地図では長すぎて四分割されているほど)である。日本も同じように縦に長いのだが、チリのように一つの国の中に沢山の種類の気候や地形を有しているわけではない。つい先日までチリ南部で日本によく似た湿度の中にいた僕は、あまりの変化に呆然としてしまった。何日干しても乾かなかった洗濯物もアタカマでは一瞬で乾いてしまう。着いた翌日は街からすぐの場所にある月の谷という場所に行ってみる。遠くから岩に見えていたものは何と塩でできたとてつもなく大きな塊だった。ここから先はアンデスの世界だが、この山脈が海底から押し上げられたということがよくわかる。今は静かなこの場所は圧倒的な力と圧倒的な時間をかけてできたのだ。地球はそういう星なのだ。人はただその上でぴょんぴょん飛び跳ねている。


時間の問題で行くのをやめたボリビアだったが、意外に近かったという理由と友人たちと毎晩やっている大富豪(トランプゲーム)が面白いという理由で、急遽予定を変更し行くことに決めた。久々の高地、大丈夫だろうか・・・

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