台風の後、急に涼しくなり、秋物を押し入れから引っ張り出す。あっという間に九月が終わろうとしている。気がつくと9月にまだ一度もBlogを更新していなかった。
最近読んで面白かった本に、ハ ジンという中国系アメリカ人が書いた「すばらしい墜落」というものがある。この本を読んで思い浮かんだのは、以前に読んだ、チママンダ•ンゴズィ•アディーチェというナイジェリア人女性の書いた「アメリカにいる、きみ」という本でる。この2作には共通したところが多い。まずどちらの作家も異国に生まれ現在はアメリカで生活する移民だという点。それから同郷移民達の日常が書かれている点。また短編集というところも共通している。
移民というのは不思議な立ち位置である。母国の人間からは出て行った者であり、移住先ではよそから来た者となる。宙に浮いたような状況で、ふたつの国の文化のはざまで生きている。そこには摩擦によって様々なドラマが生まれるため、日常を描いているだけでも面白い。
そういえば、面白い音楽もそういった文化の摩擦の中に生まれる気がする。ビートルズもアイルランド系移民だったはずだ。スケールは小さいが、地元を離れ違う街で暮らしている自分には、こういった移民文学や音楽がすっと心に入ってくる。
すばらしい墜落
アメリカにいる、きみ
これもまた、そんな中のひとつ